正直、ここ2年ずっと「今月死ぬかも」「来週死ぬかも」「明日死ぬかも」と思う日が続いていたので「遂にか、よかった」と思った。
1階に降りてみると、いつもと変わらないようにお父さんがテレビでゴルフをみていた。
そこに昨日最後に見たままのころんちゃんもいた。
あまりにも変わらなすぎてびっくりしたけど、近づいてみると肉球が真っ白になっていた。
触ると肉球は柔らかかった。脂肪だからかな
体はここ1ヶ月と変わらない骨ほねした体つきだったけど、頬をなでると骨じゃない硬さだった。
目を見ると瞼が開いていた。死ぬ間際起きたのかもしれない。
閉じたかったけど眼球が陥没し始めててこわくて触れなかった。
いつもみたいにソファの方を見ていた。
覚悟はできていたつもりだったけど、やっぱり悲しかった。
激しい悲しみではなかったけど涙がでてきた。
リビングにいたので、後ろにお父さんたちがいた。
泣いてるのを見られたくなかったので、涙が止まってから顔を洗いにいこうと思ったけど
すごい鼻水も出てきた。
拭くとばれるので涙と一緒に服にこぼして乾かしてから顔を洗いにいった。
身支度をしていっぱい鼻をかんだ
10時頃
ペットの葬儀屋さんがきた。坂本一生に似てた。
そういえば何でも屋やってるって言ってたけどまさか…とおもったけどそんなわけはない。
白木の印刷がされた箱に、薄いバスタオルを敷いてお父さんと2人がかりで納棺した。
「何かえさとか入れても結構です」と言わはったので1週間前ほどに食べれなくなっていた缶詰やら犬用ミルクとか哺乳瓶を入れた。プラスチックとかはあとで出してくれるらしい。
母の日だったので兄夫婦から送られたカーネーションを見て「花もいいですよ」と言われて、
頂き物でちょっと悪いけど2本ほど切って入れてみた。
新加勢大周がお経の本みたいなのを開くと、テープ音源のお経が流れて、人間さながらお焼香をやった。
ペット用共同墓地の案内を聞いた。
木札と写真名プリント札は3年、石掘って名入れしたものと写真名プリントした石は5年飾られます。と言っていたけど木札にした。そんな対応してくれるのか。至れり尽くせりだな。
手続きのために犬種とか年齢を聞かれたので
19歳で、今月が誕生日だったんです。と伝えると「大往生ですね」と言われた。ほんとそうだよ。実質20歳だもんな、中型犬なのに。人間換算したら100歳くらいだもんな。
「最後にお別れを」という事で顔を覗き込むと目が完全に陥没していた。
なんだか剥製みたいで、お母さんが泣いてた。
赤いカーネーションが似合っていたので、きれいに飾り付けて蓋を閉めた。
新加勢大周が箱を片手で持ち上げて車に積んだ。
1年前まではすごく重かったのになぁと思った。
なんかそれっぽい布をかけて出棺した。
今日はいい天気だ。
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